考古学ニュースから

2000年5月版

−主に縄文関係のニュースをお知らせします−


5月29日(月) 上野原遺跡のテーマソング〜国分市上野原遺跡
 オカリナ奏者の宗次郎さんが上野原遺跡(国史跡)のイメージソングを作曲することになった。11月のコンサートで発表されるという。
 南日本新聞:宗次郎さんイメージソング作曲/国分・上野原遺跡

5月25日(木) 弥生の捕鯨絵〜壱岐原の辻遺跡
 長崎県教委は原の辻遺跡から出土した弥生時代中期後半の壺に捕鯨の様子(鯨と船の絵)が描かれていたと発表した。1974年出土の甕館を再点検て見つかったという。
 これまで最古とされていたのは長崎県の長戸鬼塚古墳と鬼屋窪古墳の壁画。
 どこかで写真を公開していないのでしょうか?
 長崎新聞:原の辻遺跡の土器に日本最古の捕鯨線刻画
 佐賀新聞(共同通信ニュース):最古の捕鯨の絵を発見 原の辻遺跡の弥生のつぼ

5月25日(木) 縄文人の去った後のヨシ〜八戸市是川中居遺跡
 青森県八戸市の是川中居遺跡・長田沢地区の泥炭層で、ヨシらしい植物が層状で発見された。これらは縄文人たちが去った後のものと見られている。
 また、この層からは加工痕のある木材(1.5m、径5cm)と、その下で交差する木材も見つかっている。
 この層の下からは晩期後半の土器が出土しているという。
 東奥日報:是川中居遺跡で太古のヨシ原出土(写真あり)

5月23日(火) 三内丸山遺跡調査開始
 国史跡三内丸山遺跡の調査が始まった。遺跡西側の墓域の調査と西へ延びる道を探る計画。昨年度出土した配石墓の時期を特定し、階層論の資料とするという。今年度の調査は10月20日まで。
 東奥日報:三内丸山遺跡で発掘調査を再開
 青森遺跡探訪:2000年度の発掘調査始まる
 東奥日報:三内丸山遺跡の本年度発掘計画(5月31日付)

5月20日(土) 新指定の国史跡
 次の8つの遺跡が新たに国の史跡に指定されることになった。
 ・古志田東遺跡:山形県米沢市。平安期の有力豪族の屋敷跡で木簡30万点が出土した。(河北日報
 ・大安場古墳:福島県郡山市。4世紀後半、東北地方最大級の前方後円墳。(河北日報
 ・中里貝塚:東京都北区。カキの純層を持つ最大級の縄文貝塚
 ・昼飯大塚古墳:岐阜県大垣市。4世紀後半、東海地方最大級の前方後円墳。(岐阜新聞
 ・椿井大塚山古墳:京都府山城町。3世紀後半、三角縁神獣鏡等の大量の副葬品(国重文)で有名。墳丘上には民家が。(京都新聞
 ・新町支石墓群:福岡県志摩町。・・・。
 ・肥前波佐見陶磁器窯跡:長崎県波佐見町。この町は400年の伝統を持つ焼きものの町ということだが・・・。
 ・都於郡城跡:宮崎県西都市。室町期の日向領主の居城。

5月19日(金) 大規模なフラスコ状土坑〜八戸市松ヶ崎遺跡
 青森県八戸市の松ヶ崎遺跡から県内最大級のフラスコ状土坑(前期〜中期頃)が発見された。深さ3.2m・直径4mというが、貯蔵物は出土していない。
 松ヶ崎遺跡は中期を主体とする前期〜後期の遺跡で、住宅建設に先立ち市教委が調査していた。
東奥日報:県内最大級、縄文時代の土坑出土(写真あり)

5月17日(水) 後期の集団墓〜恵庭市西島松5遺跡
 柏木川の河川改修工事の遊水地整備に先立つ道埋文センターによる北海道恵庭市の西島松5遺跡の調査がはじまり、縄文後期〜晩期の土坑が多数発見された。方位にも規則性が伺えることから墓域と見られている。今後2年間かけて調査される予定。
 苫小牧民報:西島松5遺跡で集団墓を発見

5月15日(月) 屋久島から西日本最大級の縄文集落〜鹿児島県横峰遺跡
 屋久島(鹿児島県熊毛郡屋久町)の縄文後期の集落である横峰遺跡の竪穴住居数が推定で350棟〜400棟となるという推定が調査団から発表された。町と鹿児島国際大学による昨年度からの調査で100基の住居が確認されている。
 ただ気になるのは、下にリンクを張った2つの記事を見比べると、西日本新聞では西日本最多としているのに対し、南日本新聞では後期では国内最多としていることである(手元の朝日新聞には西日本最大とある)。
 これまで西日本では知られていなかった集落のあり方について新知見が得られたという点は大きく評価できるものの、「最多」で競っていても何の意味もない。集落の規模などというものは、遺跡の使用年(≒遺跡の立地条件)や調査範囲などに大きく影響されることは三内丸山遺跡の時に繰り返し注意された点であったように思う。この点については後日トピックスで扱いたい。
 西日本新聞:縄文の竪穴住居400基? 屋久島の横峰遺跡 西日本では最多
 南日本新聞:西日本最多、住居跡100基確認/横峯遺跡・屋久島

5月15日(月) 心御柱発掘へ〜出雲大社境内遺跡
 4月28日のニュースのページでお伝えした通り、出雲大社で、伝承・文献記録を裏付けるような巨大な木柱の出土が発見された。
 やはり、この手の話題では國學院大學は強い。岡田荘司教授(神道史)や佐藤長門教授(古代史)の授業は急遽この話となり、出雲大社の社殿の特異性や今回の発見のもつ意義について細かく講義されたし、対策会議から帰ってこられた椙山林継教授(祭祀考古学)からも、様子を伺うことができた。
 しかも、大きく注目された遺跡について、調査主体が発表情報と詳細な解説ページをネット上で速報するという注目すべき状況も生まれた。その後、出雲大社のサイトでは今回の発見に関する学者のコメントを集成したページも公表している。
 発掘調査指導委員会が11日に発足し今後の対策が話し合われた。今後、本殿遺構中央部の心御柱の発掘調査を行い、2001年度には心御柱の下部まで調査し、2002年度には本殿への階段部分(引橋)の調査を行うという。
 だんだんネット:出雲大社境内遺跡関連リンク 新聞記事や現地説明会見学者のページ等へのリンク
 出雲大社:出雲大社境内遺跡・研究者意見集録(新聞記事)
 5月12日付 島根日日新聞:心御柱の発掘調査へ

5月9日(火) 大原の寂光院本堂全焼
 9日未明、京都大原の寂光院で出火し本堂が全焼し、本尊の木造地蔵菩薩立像(鎌倉期 国重文)をはじめとする貴重な文化財が焼失した。放火と見られている。
 次回京都へ行ったときは是非行こうと思っていたお寺である。なんとも悲しいことである。
 京都新聞:寂光院で火事 放火の疑い(他に関連記事あり)
 中国新聞:京都・寂光院本堂 放火で全焼

5月8日(月) 最古の洞穴の石器〜岩手県瓢箪穴遺跡
 東北旧石器文化研究所と東北福祉大考古学研究会の合同調査(第6次)が行われている岩泉町の瓢箪穴遺跡(中期旧石器時代)で新発見が相次いでいる。
 5月8日:日本の洞穴遺跡からの出土としては最古となる石器9点が見つかった。出土したのは小型尖頭器、鋸歯縁石器、剥片など。
 岩手日報:瓢箪穴・10万年以上前の石器発見
 河北新報:岩手・岩泉瓢箪穴遺跡から新たに石器9点発見/洞穴遺跡で国内最古

 5月4日:石器12点と獣骨3点が出土。このうち、イノシシの腰骨と尖頭器・削器などセットで出土している。
 岩手日報:瓢箪穴「獣骨・石器」セット出土

 5月2日:前回調査時の土砂の水洗で骨器を発見。
 岩手日日新聞:<約十万年前の骨器を発見〜岩泉町の瓢箪穴遺跡>

5月6日(土) 中期の集石遺構など〜北海道真歌14遺跡
 北海道静内町の広域農道の橋建設に伴い町教委によって行われた真歌14遺跡の調査結果がまとまった。
 住居跡等は発見されず遺構としては集石遺構が見つかったようである。
 (Yahoo!考古学より)


to 縄文学研究室 00年4月へ
Copyright (c) 2000 Nakamura Kousaku
mailto:info@jomongaku.net